どうも!バレバカ(@valleybaka07)です!
バレーボールの試合を観ていると、意外と知らない言葉を耳にすると思いませんか?
ウィングスパイカー、ミドルブロッカー、オポジット…。
わからない単語が飛び交うと、頭の中に「???」が浮かんで、観戦に集中できなくなることもありますよね。
反対に言葉の意味を知れば、観戦をもっと楽しめるのは言うまでもありません!
そこで今回は、バレーの専門用語のひとつ、『オポジット』について、徹底解説したいと思います。
ぜひ意味を正しく知っていただき、これまでよりもバレー観戦を楽しんでもらえたら嬉しいです!
オポジットとは?
『オポジット』は、バレーボールにおけるポジション(役割)のひとつです。
英語で書くと、“opposite”。
oppositeという英単語は直訳すると“反対”や“対角”という意味なのですが、その言葉通り、セッター(主にトスを上げる人)の対角に位置する選手をオポジットと呼びます。
なぜこう呼ぶかというと、バレーにおいて他のポジション(レフトやセンター)は、対角にも役割が似ている選手を配置するから。
一方オポジットはセッターの対角なので、全く役割が異なるわけですね。
ただオポジットの役割は、チーム自体のレベルで大きく変わる場合が多いです。
上級チームになればなるほど、オポジットは重要な役割を担います。
今回の記事では、上級チームにおいてのオポジット、という観点から解説していきましょう。
さて、オポジットは常にセッターの対角にいるので、まずはこれが基本知識となるのですが…しばしばオポジットと混同されてしまうのが、ライトアタッカーやスーパーエース。
ライトアタッカーはその名の通り“ライトから攻撃する”わけですが、オポジットもライトである場合がほとんどなので、混ざってしまうのです。
しかし先ほどもお伝えした通り、オポジットはあくまで“セッターの対角にいる”選手。
仮にセッターがセンターにいればオポジットも対角のセンターになるので、ライトアタッカーとは異なることが分かりますよね。
(ただ、センターセッター自体、確率としては低いです。)
そしてスーパーエースも、厳密にはオポジットとは違います。
ところがこちらも、“オポジットの選手は、結果的にスーパーエースである場合がほとんどだ”と言えるので、混同されてしまうのでしょう。
なかなかややこしいですが、続きを読んでいただければスーパーエースとの違いもお分かりいただけると思います!
この辺りを、次の項目で解説していきますね!
オポジットの役割
オポジットの役割を説明する前に理解しておかなくてはいけないのは、オポジットはそもそも、単純にポジション(セッターの対角)を指す言葉だったということです。
ならば、どんな役割の選手でも、セッターの対角に配置されればオポジットと呼ばれていいはず……なのですが、現在では結果的に、オポジットという“役割”が存在すると言えるようになってきています。
ココが、オポジットを正しく理解するのが難しい原因かもしれませんね。
なぜなら、“オポジットに配置される選手は、攻撃特化型の選手である場合が圧倒的に多い”のです。
つまり「オポジットの役割とは何ですか?」と聞かれれば、「とにかく攻撃をして点を取ること」という答えになります。
ここで、先ほどのお話に少し戻りましょう。
“オポジットの選手は結果的にスーパーエースである場合がほとんどだ”とお伝えしました。
スーパーエースは、たくさん攻撃をして点数を稼ぐ『エース』よりも、打数や得点においてさらに上を行く選手、という意味で『スーパーエース』と呼ばれるわけです。
つまり、攻撃に特化した選手。
そしてオポジットも、ほとんどが攻撃特化型の選手。
お分かりになりましたでしょうか?
チームで一番得点を狙えるスーパーエースが、『攻撃特化型』という役割を持つオポジットに配置されるのは自然なことですよね。
そういうわけで、結果的にほとんどのオポジットがスーパーエースなのです。
ここまでを一旦まとめると、
- オポジットはセッターの対角という“ポジション”
- スーパーエースは攻撃担当という“役割“
- オポジットに配置される選手のほとんどがスーパーエース
となります!
ちなみに攻撃特化型ということで、“とにかく攻撃をして点を取るのがオポジットの役割です”と上で書いたように、オポジットは基本的に守備をしません。
いつでも常に攻撃態勢を取り、どこにいても攻撃します。
サーブレシーブもしない場合がほとんどなのですが、では、どうしてそこまでして攻撃する必要があるのでしょうか?
次は、もう少し掘り下げて、オポジットの役割を見ていきましょう
オポジットの選手がサーブレシーブに参加しない理由
オポジットに配置される選手はほとんどが守備をせず、攻撃に特化したプレーをします。
それはなぜか?
ズバリ、“セッターが前衛にいる時のチームの攻撃力を低下させないため”というのが主な理由です。
前衛3人、後衛3人という6人制のバレーボールにおいて、セッターが前衛にいると、前衛でスパイクを打てる選手が2人に減ってしまいますよね。
しかし言うまでもなく、できれば常に3人で攻撃したいわけです。
そこで、減った攻撃力を補うためには、セッターが前衛にいる時に後衛からも攻撃(バックアタック)できる選手が必要になります。
さて、ここで問題です。
オポジットの位置はどこだったでしょうか?
そうです。セッターの対角にいるオポジットは、セッターが前衛にいてチームの攻撃力が減るタイミングで、常に後衛にいるんです!
後衛からも攻撃するために、バックアタックも打てる選手、すなわち攻撃力の高い選手が、オポジットに配置されるんですね。
また常に3人の選手がアタッカーとして存在することで、チーム全体の攻撃力をキープするだけでなく、敵チームのブロッカーはブロックする相手を絞りづらくなります。
ブロック先が集中しないことで、隙が生まれやすくなるという効果もあるわけです。
以上のように、オポジットは基本的に“セッターが前衛の時にも攻撃するための選手”と言い換えてもいいかもしれません。
そんな役割を担うオポジットには、平たく言ってしまえば、守備に加わっている暇などないのです。
守備に気を取られて態勢を崩してしまうと、攻撃のタイミングを逃してしまうかもしれないですから。
サーブレシーブにも参加せず、前衛にいようが後衛にいようが常に攻撃態勢で、ひたすら点を取りに行く。
それがオポジットの役割であり、守備をしない理由です!
ここまでのまとめ
- オポジットはどんな時も、どこにいても攻撃態勢
- 常に攻撃するために、オポジットは守備には参加しない
- バックアタックが打てる選手がオポジットに配置されることが多い
オポジットに向いている選手
さて、ここまではオポジットの役割をご紹介してきましたが、では、オポジットにはどんな選手が向いているのでしょうか。
次は、常に攻撃を仕掛けて点を取りに行くエース、チームの花形とも言えるオポジットに向いている選手について、解説していきましょう!
常に攻撃態勢を取り続けなくてはいけないオポジットには、まず、並大抵ではない体力が求められます。
もちろん、“守備なら体力が要らない”ということは決してありませんが、オポジットはいつも攻撃できるように整えておかなくてはいけないため、よりスタミナのある選手が向いています。
またオポジットは、その役割から必然的に、バックアタックをする機会も増えます。
ネットまでの距離が遠いので、当たり前ですが、ジャンプ力だったり、パワー(アタック力)だったりが求められますね。
バックアタックは高さがあればあるほど有利なので、特にジャンプ力は必須です!
そして、より高いところからバックアタックを打つためには、身長も重要となってくるでしょう。
平均して高身長なバレーボール選手の中でも、特に身長が高い選手が、オポジットに向いています。
続いて、利き手。
これはオポジットに限らないことですが、アタッカーは、自分の利き手側から上がってくるトスの方が打ちやすいです。
つまり、ライト側から攻撃するオポジットには、左利きの選手が向いているのですね。
もちろん“絶対”ということはないですが、選手の利き手に注目してポジションを見ていくのも楽しいものです。
あくまで一般的なセオリーとしてですが、覚えておけば、観戦がもっと面白くなりますよ!
さて、最後は外見の話ではないので、観戦していても少し分かりづらい部分なのですが…。
意外と重要なのが、メンタル。
アタック力が高く常に攻撃態勢であるオポジットは、敵チームからすれば、徹底的にマークするべき対象です。
当然ブロックされる確率も高くなりますよね。
一方チームメイトは、例えば劣勢でどうしても点が欲しい時など、ここぞというタイミングで頻繁に、オポジットにトスを上げます。
チーム1のスーパーエースを担うオポジットですから、自然なことですね。
もしも試合が自分たちにとって苦しい状況でも、連続でブロックされてなかなかスパイクが決まらなくても、上がってきたトスを強い心で打ち抜くことが、オポジットには求められるのです。
単に点を稼ぐだけでなく、鋼のメンタルを持ってチームを引っ張っていける選手が、オポジットに向いているというわけですね!
さて、それではまとめです。
攻撃の要とも言えるオポジットに向いている選手は、
- スタミナ
- ジャンプ力
- 身長
- パワー
- 左利き
- メンタル
これらを兼ね備えた選手、ということになりますね!
現男子日本代表のオポジットの紹介
ここまで読んでくださった方は、オポジットについて以前より詳しくなれたのではないでしょうか。
知識が増えると、その知識を踏まえて観戦するのがとても楽しくなります!
そこで最後に、男子日本代表(2021現在)のオポジットを担う選手を、簡単なプロフィールとともにご紹介したいと思います。
清水邦広(しみずくにひろ)選手
出典:https://panasonic.co.jp/sports/volleyball/member/shimizu_kunihiro/
所属 | パナソニックパンサーズ |
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生年月日 | 1986年8月11日 |
身長 | 193cm |
体重 | 97kg |
大竹壱青(おおたけいっせい)選手
出典:https://panasonic.co.jp/sports/volleyball/member/otake_issei/
所属 | パナソニックパンサーズ |
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生年月日 | 1995年12月3日 |
身長 | 201cm |
体重 | 98kg |
西田有志(にしだゆうじ)選手
出典:https://twitter.com/volleyball1301
所属 | ジェイテクトSTINGS |
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生年月日 | 2000年1月30日 |
身長 | 186cm |
体重 | 78kg |
宮浦健人(みやうらけんと)選手
出典:https://www.jtekt-stings.jp/team/page_776.html
所属 | ジェイテクトSTINGS |
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生年月日 | 1999年2月22日 |
身長 | 189cm |
体重 | 78kg |
以上4名が、現男子日本代表チームにオポジットとして登録されている選手です!
ちなみに利き腕は、清水邦広選手と西田有志選手、宮浦健人選手がサウスポー、大竹壱青選手は右です。
この利き手の違いに注目して観戦してみるのも面白いかもしれませんね!
まとめ
今回は、バレーボールのポジションのひとつ『オポジット』について、役割や日本代表選手などを徹底解説しました!
たくさんの情報をお伝えしたので、最後に簡単にまとめておきましょう。
- オポジットはセッターの対角に位置する
- 攻撃の要となる場合が多い
- ライトアタッカーやスーパーエースとは違う
- オポジットは攻撃特化型
- オポジットに配置される選手のほとんどがスーパーエース
- いつでも攻撃するために、守備には参加しない
- オポジットに求められるのは、体力、ジャンプ力、アタック力、そしてメンタル!
オポジットに限らず、バレーボールはメンタル面に左右されやすい競技とも言われます。
その中でもさらに強靭なメンタルを求められるオポジット。かっこいいですね!
次に試合を観るときはぜひ、バレーボールの花形とも言えるオポジットに注目してみてください。
「今のスパイクの威力がすごかった!」
「試合は劣勢なのに心の余裕を感じる!」
「バックアタック決まったー!」
そんな風にオポジットの動向を追いながら観戦してみると、きっと、これまで以上にバレーボールを楽しめることと思います!
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